今日は直登しよう。
いま私達が立つ標高は
雲の中に入りつつあった。
◆岩の道
奥の院から稜線に直登する道は
「ゴロゴロ八丁」と呼ばれる
梶ヶ森登山の名所になっている。
◆雲の道
山道は次第に濃くなる
霧の中に入っていった。
霧が音を包み込み
風の音や鳥の声が心地よく
街では不快に感じる
湿気は気持ちよいものとなる。
雨の代わりに霧が漂う
汗掻くこともない心地よい登りだった。
◆信心の道
霧の中に現れた巨大な岩が
山岳宗教の地に相応しい風景を。
この垂直に切り立った大岩には
旧暦3月21日弘法大師の御影供に
護摩供養が行われる御影堂がある。
巨大な岩の門を潜れば
明るい稜線に出る。
霧の道現れ来るを行くばかり 松本たかし