四国屈指の広大な自然林。
ここは樹齢100年を越す樹木が
数多く生きている神々の森。
◆感じること
亜寒帯の森のブナ達は
笹と共に生きてきたが
鹿の活動の変化により
徐々に笹床を失いつつある。
標高1500mを越え
もうすぐブナ林を抜ける。
若葉の香りを感じる
ここらで一本しようや。
◆夏山シーズン
風の強い所には樅がいる
樅は脂が多く寒さに強い。
植生を見れば地形に応じた
自然環境が想像できる。
西島尾根にあがると
一旦森を抜け笹原に出る。
標高1750m登山リフト西島駅は
多くの登山者で賑わっていた。
「今日は三嶺も
いっぱいやろうね」
◆遡ること
大剱神社の鳥居を潜り
山道は再び森に入り
木々は春の風景に遡る。
「春の紅葉ですね」
芽吹いたばかりの葉を
淡い紅葉色に染める木もある。
◆命を育む
石灰岩は比較的風化に強く
山脈中の高いピークで残ることが多い。
チョモランマやアイガー、伊吹山も石灰岩で
同じ石灰の山である剣山も高く残ったのだろう。
また風化には強いが溶食され易いことから
カルストなど特徴的な地形を形成することがあり
その石灰岩特有の環境を好む植物などが見られる。
そして島国日本の高山は
雲を作り降雨をもたらし
多くの命を育んできた。
木々の香にむかひて歩む五月来ぬ 水原秋櫻子