猿板

遊山黒子衆SARUの記録

昨年の「仁淀の桜」遊山 別枝のしだれ

  今週はお誘いを兼ねて
間もなく見頃を迎える
故郷の咲くらをふり返ります。

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 祖父が長を務めていた仁淀村
祖父も深く関わった大渡ダムに至り
ダム湖畔に植えられた満開の桜が
私たちを迎えてくれた。

◆故郷に帰ること
 仁淀の花見は私のお墓参り。
お爺ちゃん今年も帰ったよ
貴方の命は玄孫たちに継がれている。


◆市川家のしだれ
 まずは別枝地区の入り口
土佐藩番所役を代々務めた
市川家の門を守るしだれ桜。

別枝を訪れるものは皆
この桜が守る門を潜る。

                

◆大石家のしだれ
 集落中心部にある大石家の桜は
銘木「中越家のしだれ桜」の子。

先代当主が孫と一緒に植えた
樹齢50年ほどの若いしだれ桜は
今年も鮮やかな色で迎えてくれた。

    
中越家のしだれ
 別枝の最も高い処にある
火産霊命を祀る秋葉神社
その神様の権化の様に咲く
この桜に私は心引かれる。

 代々宮司を務めた中越家当主は
この桜の満開に「桜衣姿」を纏い
正座で向かい合ったと言われる。

    

 一本の枝も切らぬ家訓により
200年以上守れてきたしだれ桜は
俳人黒田杏子さんの心を強く打ち
彼女の桜花巡礼はこの桜で満行となった。

今年も老木らしい堂々とした
佇まいを魅せてくれた。

 昨年は桜色が濃かったが
今年はどの桜も色白に感じる。
その年の気象により変わるのだろうか。

        身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな  黒田杏子