猿板

遊山黒子衆SARUの記録

和宏さんの花巡礼「寒峰」 名残雪

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 高山は雲を集め雨や雪を貯める。
それが海まで下り植物や動物を養い
人もその恩恵を受けてきた。

◆残雪
 頂上手前のピークを巻く
ここは南斜面で日当たりもいいが
標高の関係だろ雪が残っていた。

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◆芽吹き
 ここにはひときわ目立つ
老木がありその根元で守られた
福寿草が生きている。

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 「いたいた
     芽吹いたばかりやね」

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その老木を見上げれば
越冬芽が開きはじめていた。

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◆山上の窪地
 寒峰の頂の手前に
笹に覆われていた広い窪地があり
ここで一本立てることとした。

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 「私はここでいいと思う」
 そうですね。
頂上より気持ちいいでしょう。

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風を避けた開けた場所で
お昼にすることとした。

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 空には鰯雲が現れ
低気圧の接近を告げていたが
まだしばらくは穏やかなんだろう。

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  旅をしてみたく膝抱き鰯雲  高田風人子