私達の山の朝は
昨晩の寄せ鍋を平らげる
おじやから始まることが多い。
◆おそい朝のこと
避難小屋には4組ほど
登山パーティが居た様だが
私達が起き出したころは
誰もいないようだった。
◆好転したこと
テントを仕舞うころには
時々雲が切れ山頂が現れた。
一度夜明けのころ目覚めたが
外は強い風と霧の中にあり
ご来光をあきらめて
再び寝袋に潜り込んだ。
私達に帰りを急ぐ理由はない。
朝のんびりしていたお陰で
この風景の中に立つことが出来た。
頂上で休んでいこう。
後ろ髪を引かれる風景だね。
◆かえり道
人それぞれ価値観が違い
また人と比べて自分の価値観が
正しいとは思っていない。
昨今の登山スタイルを観るに
目的の殆どが登頂と見受けられるが
私たちはそれだけではないから
静かな登山も楽しむことが出来る。
花見は満開を追えば慌ただしいが
残花に美しさをみれば余裕が生まれる。
頂に拘ることなく
行きも帰りも慌てることなく
慌ただしいのが嫌いな私は
これからもその様に歩きたいと思っている。
価値観を共にする仲間達よ
次はどこに遊びに行こうかね。
雪嶺よ日をもて測るわが生よ 相馬遷子