ここでお昼にしよう。
頂上の手前にある岳樺林の窪地は
谷底から直線的な位置にあるため
強い吹き上げを避けることが出来る。
◆昼どき
長く山を観察し
天気と地形を読めば
ビバーグポイントが見える。
私達の到着を待っていた様に
流れる雲の間から陽が射した。
「お天道様は温かいね」
◆空に出る
雲の動きが速くなり
枯れ芒が風に揺れる。
思ったより
前線の動きが速く
回復も早いかもなぁ。
雲の切れ間から太平洋が見えた。
「高知はもう晴れちゅうろうね」
◆稜線のこと
雪が少なく考えたより早く
カヤハゲに立つことが出来た。
ここから三嶺までゆっくり2ピッチ。
この時間なら余裕で着くだろう。
カヤハゲから三嶺の稜線は
軽いアップダウンを繰り返す。
ここでペースを上げると
最後の登りでバテることがある。
さあ もうひと頑張りだ。
冬の雲なほ捨てきれぬこころざし 鷲谷七菜子