穏やかな雪でした。
奥深くしんみりと降り積もる
比較的軽い雪は
木々の枝を弛まさず積もり
さらさらと落ちたり
木々の樹皮に添って積もっていました。
気温が低く降り始めたばかりの時しか出会えない風景です。
「鹿の足跡あったよー」
しかも新しい。
まったく動物の気配を感じませんでしたが
この森で生きる主は
自分たちの気配をいち早くキャッチしたようでした。
この静けさの中で
生きているもの
私達がこの世界に入るための装備は
どれだけだろう
山毛欅の小さな越冬芽の中にも
春の息吹が眠っています。
風景の何処からも雪降り出せり 柿本多映