テントの中が明かりはじめた。
昨夜は風もなく静かでよく眠れた。
こんな好機は滅多にないだろう。
◆明けのとき
女神の山が目覚める。
雪は少ないが三嶺は美しく
今年雪は出遅れているが
このまま終わると思いたくはない。
◆朝照のとき
昨日は三嶺頂上まで
行こうとも思っていたが
ここで泊まったのは正解だった。
山頂部はテン場が限られ
その山は見えないから
美しい山は登らず眺める方がいい。
次第に三嶺が焼けはじめ
やがて朝のグラデーションは
日の光に呑まれ静かなドラマは終わる。
◆朝餐のとき
朝はTommy's Restaurantで
昨日の残りをお鍋で平らげた。
朝ゆったり出来るのも
恵まれた天気と誰もいない
稜線テン泊のお陰だろう。
「コーヒー入れますわ」
ありがたい 有り難い (^_^)
◆かえり道
登山のスタイルは人それぞれで
例えば登攀道具は体外危険を冒すために使い
その自分に酔いしれている方をよく見かける。
私もそのような時期があったのだろう。
でも今は山では臆病でありたいと思う。
危険を感じたときはすぐ引き返す。
登攀道具やザイルワークも大切だが
自然に頭を垂れる方がもっと大切だと思う。
そして「自分は間違っている」
と思うよう心がけている。
それによって違う考えや現象に気づき
「学び」を得ることが出来ると思う。
さあ 愛するカタツムリたちよ
次はテント背負ってどこに行こうかねぇ (^_^)
雑炊や一すぢ青き山の幸 鷹羽狩行