森を抜け笹原に出る。
ここは高度による森林限界ではなく
風が強く樹木が育ちづらいと理解している。
◆笹原に出る
四国の1500mを越える山は
頂上付近が笹に覆われている事が多く
急峻な地形が苦手な鹿が避けるため
白髪山の頂上部は広い笹原が広がる。
◆白髪山山頂
標高1770m白髪山の
平坦な山頂部に上がったが
濃い霧に覆われ風も強く
そのまま三嶺向けて歩く事とした。
この山域は剣山系の西部に位置し
三嶺や剣山に続く稜線が縦走路となり
今回この稜線の条件の良いどこかに
テント泊をする予定で訪れた。
◆稜線を歩く
稜線歩きは再び森に入り
風と雪はピタリと止んだ。
これは予想外であったが
これがあるから自然は面白い。
現在の科学は自然現象の
1%も理解していないと言われる。
だから人生も山登りでも
「自分は間違っている」と
思っている方がいいと思う。
入山前に気象図と地図とにらめっこし
経験で予測する事を行い
間違っていた経験が「学び」となる。
「雪と倒木で
道を見失ったな」
これも大切な経験で
成功の積み上げじゃだめだ。
◆臨機応変
そんなあれやこれやで
ちょうど白髪分岐で昼時になり
前線の動きが速いように感じた。
「避難小屋でお昼にしょうや」
私は小屋で空と気圧を観ながら
テン場を決めようと思った。
どこでも泊まれる装備はあるから。
簪(かんざし)の星も消えゆき雪女郎 鷹羽狩行