猿板

遊山黒子衆SARUの記録

嵐のあとの西熊の森 森の懐

残花

 バイケイソウの残花。
ここが緑に覆われていた頃
この草は花を咲かす前に
虫に食い尽くされていた。


◆変わること
 人が山を崩し街を造ることも
鹿が森の下草を食い尽くすことも
私はどちらも自然現象だと思う。



             
◆静かなとき
 いつもの場所に腰を下ろし
お昼をとり休んでいると
森の涼しさを実感する。



葉は光を感知すると気孔が開き
体内の水分を放出する(蒸散)。
水蒸気が出るとき気化熱が奪われ
葉の温度を低下させる。
            
植物は動物と同じように
体内の温度を一定に保とうとするため
森や街でも木陰は涼しくなる。



 「カナカナ・・・」
木洩れ日が雲に遮られると共に
ヒグラシの大合唱がはじまる。
 この空気を持って帰りたいね。


               
◆かえり道
 6億年前現れた植物は
最初に海から地上に上がったとされ
今では地球上の命の8割を占めている。



特にそのパイオニア的生命に対し
「自然保護」などと言うことは
私にはおかしな考えのように思える。
                  
動物は全て植物に頼り生きていて
この地球を本当に支配しているのは
CO2を食べて見て記憶し変化出来る
植物なのではないのだろうか?



 「ただいま」
きみとはこれが最後の遊山やね。
 14年間本当にありがとう。


                


  縁に垂らすわが足大いなる晩夏  桂信子