山紫陽花が咲きはじめた。
自然の暦は毎年正確に刻まれ
それは四方を海に囲まれた温暖で
気候が安定した日本ならではのこと。
◆芒種の入り
梅雨入りの頃
梅の実が黄ばみ田植えが盛んになる。
山や森は大量の雨を吸い込んで
大地の蓄え天然のダムになる。
◆沢に添いの道
私はともかく汗っかきで
標高が低い四国の夏山では
稜線にはなるべく上がりたくない。
だからこの様な沢沿いの
涼しい森の道を選びその日その日の
一期一会に目を向ける様にしてきた。
◆懐の道
山は風景が開けた稜線や頂にも
それなりの変化の風景はあるが
広大な面積を持つ森の方がより深い。
特に夏は水が豊富な森の方が
気温も低く吸血虫の活動が鈍い。
◆移りゆく道
信仰の山である梶ヶ森には
先人の関わりを感じるところが多い。
この石段の先には
定福寺奥の院と宿坊跡がある。
いま自然が呑み込もうとしている
人が作った風景も長い時の流れの中で
一過性であり一期一会なのだろう。
頂きに神を祀りて山滴る 高橋悦男