梶ヶ森の山道は
暗い植林を抜け雑木林に入り
朝陽射すと共に鳥が囀り始めた。
◆沢を遡る
サラサラと
音を立てるように
沢の水は流れ下って行く。
そんな沢筋に沿って
山道は続いている。
◆雑木林へ
「やっぱり水多いね」
この豊かな天の恵みを
雑木たちは土を作り蓄える。
四方を海に囲まれ
温暖で豊かな森林を持つ
日本の自然は世界一だと思う。
◆仲春に入る
初春に引き続く
仲春の約30日間は
啓蟄と春分の節気にあたる。
冬を引きずっていた初春から
春めいた日々になる仲春は
春の気、益々盛んになり
桜も蕾を開き雀も巣を作りはじめる。
ひと吹きの風にまたたき春の水 村沢夏風