猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初春の笹ヶ峰遊山 雪残る

反射板のロープ

 急な斜面にあるロープは
山頂部にあった電力反射板の
霧氷付着を防ぐために
山田さんが考案したもの。


◆お父さんの道
 この急な坂道は
台風で崩落した谷を迂回するため
伊藤朝春お父さんが付けた道。
そんな思い出が至る所にある私の道。



◆初春の道
 初春は「はつはる」と読むと
新年の季語になるが
春季の場合は「しょしゅん」と読む。
                    
春の最初の約30日間
立春と雨水の節気にあたり
日差しが次第に温かくなり
春が訪れを感じはじめるころ。



山道には初春らしく
残雪が固い板氷となり
アイゼンを装着した。
                 
◆思い出を遡る道
 沢筋に沿って
雑木と植林を交互に登り
大きく育った杉が立ち並ぶ
山の平坦地に至る。



この山域はかつて
銅精錬のための木炭を生産し
別子銅山まで馬で運ぶための集積地で
最盛期には数十頭の馬がいた。
                 
ここまで来れば
丸山荘のクロが全速力で
迎えに下りてきた。



今日も
駆け下りてきそうだった。
                   


  一枚の餅のごとくに雪残る  川端茅舎