鳥居を潜り神の山への登りが始まる。
一時より登山者や観光客は減ったようで
この週末を過ぎれば山は静かになるだろう。
◆分け入る
注連縄を潜り分け入る森は
落葉し風景が明るくなっていた。
あとは雪を待つばかり
今年の海水温の高さは
この島国に何をもたらすか。
◆山眠る
この標高の紅葉は終わり
赤い越冬芽が斜陽に輝き
剱の森は冬の眠りについた。
冬季の山が枯れていて
全く精彩を失い深い眠りに
入るように見えるのをいう。
冬の山の静まりかえったさま。
北宋の画家郭熙の『林泉高致』の一節
「冬山惨淡として眠るが如し」から季語になった。
◆陽だまり
尾根を登る近道を取らず
いつもの山腹の道にはいった。
落葉がサクサク音をたてる
この回り道は人も少なく
自然を身近に感じることが出来る。
陽が大地に届きはじめる
この季節の森歩きも私は好きだなぁ。
木も草もいつか従ひ山眠る 桂信子