爪楊枝に使われる
クロモジが黄葉していた。
日陰を好む中低木たちが
植林の単調な風景に色を添える。
◆植林の秋色
実りがない植林には
鳥獣たちの姿は少なく
その静けさも山の風景で
私は嫌いではない。
◆滝へ下る
やがて水音が聞こえ始め
山道はいったん滝のある沢に下る。
長い年月をかけて
大岩を削った龍王の滝。
岩肌に紅葉色はないが
流れる落葉に秋の終わりを感じる。
◆楓蔦黄(もみじ、つた、きばむ)
紅葉や蔦が黄葉する時季。
沢に沿って橋を渡り
山道は広葉樹の森に分け入る。
初霜の便りが届くころ
野山の木々は美しく紅葉し
優しく柔らかな景色を作り出す。
遠くに冬の呼吸が小さく聞こえ始め
森の木々は心地よい寒さと
身にしみる寒さをその木肌に感じながら
いつもの様に去りゆく秋を見送る。
今秋の紅葉は最後かなぁ。
うらを見せおもてを見せて散るもみじ 良寛