猿板

遊山黒子衆SARUの記録

寒露の三嶺独り遊山 ブナの森

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 林道を離れ谷へ下り
長笹谷に架かる橋を渡る。
紅葉を促す谷の水はまだ多い。

◆朝陽が描く風景
 奥物部の森に登り返す
南斜面を横断する山道に
差し込む朝日が模様を描き

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暗い対面を背景に
木々の葉が輝きはじめる。

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◆森の母
 ヌル谷のナロで一休みし
谷の源流に根を張る老木の元に立つ。

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tochikoが森の母と呼ぶ大橡は
今年も多くの実と葉を落とし
どの木よりも早く冬の眠りに
はいろうとしていた。

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◆自然の意志  循環
 広葉樹の森は落葉で土壌を造り
その果実や種子で多くの命を養い
やがて天寿を全うし大地に還る。

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その循環で大切な役割を果たす菌類は
植物を食べ植物が蓄えたCO2を大気に還す。
そうしないとCO2がなくなれば
この星で生物は生きてゆけない。

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また自然に逆らうものも
この星で生きてゆけない。
私たち人間も同じ使命をもって
この星に生み出されたと思う。

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◆確かな道しるべ
 この森に降る雪は
道を埋め一面白い世界に変え

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道標やテープすら隠すことがあり
私は確かな道標として特徴ある木を覚え
地形に対する勘が鈍らないよう
雪が降る前に幾度か通うことにしている。

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     御仏をふかく蔵して紅葉晴  今瀬剛一