剣山への登りは
劔神社への石段から始まり
時折青空が覗いていた。
◆変化のとき
境内から見る山には
まだ重い雨雲が流れ込んでおり
山の天候は下界の予報とは違う。
◆秋風抜ける
鳥居を潜り神の山に分け入る。
今日は独りだからマイペースで行こう。
山麓から吹き上げる風は
随分涼しくなり汗も少なくなった。
◆森の分解者たち
生えてる 生えてる。
剣山もキノコが早いようだ。
中には優秀な食用菌が幾つかあったが
今日は独りだからそっとしておこう。
菌類や土中のバクテリアは
死んだ木を食べ土に還すとき
我々動物と同じくCO2を吐き出し
植物は生まれる数と同じ数死んでゆく。
森林が膨張し続け死ななければ別だが
この森の営みの一部だけ見て
「森林がCO2を吸収する」と言う
「思い違い」に気づかなければならない。
またブナの老木が倒れていた。
ここも2~3年キノコが楽しめそうだ。
茸(たけ)山の茸の孤独に囲まるる 三谷昭