私は苔むす森が好きだ。
寝転がるとヒンヤリと気持ち良く
街の疲れを吸い取ってくれる
そんな不思議な感覚がある。
◆苔むす
海の水が雲となり
山に降った雨が流れ落ち
沢に集まり川となり海に帰る。
その循環により命は養われる。
◆沢へ下る
林道を離れ山道に分け入り
心地よい沢の音が聞こえてくる。
長笹谷は今夏幾度か増水しただろうが
ケンジさん達が架けた橋は耐えていた。
◆登り返す
長笹谷を渡りヌル谷に向かって
登り返す山道は下草を失い土壌が流れ
足場の悪いザレ道となってしまった。
この道が私が生きている間に
元にもどることはないであろうが
長い地球の時間で見れば
さほど時間を要さないのであろう。
昨今「自然破壊」「環境」など
唱える方々は感情的とも思える「想い」で
自然に関わっている様に見受けられるが
それが解決に繋がると私には思えない。
人間の活動も自然の一部。
今の科学では自然以外のものを
作ることは出来ないのだから。
さあ私達の居場所に着いたよ。
滴りのきらめき消ゆる虚空かな 富安風生