猿板

遊山黒子衆SARUの記録

立冬の国見山遊山 枯山

稜線に乗る

 双耳峰である国見山の
なだらかな稜線部に上がる。
風が強いから防寒着を着ようか。


◆山毛欅の森
 国見山もそうだが
植林が多い四国の山でも
稜線だけは伐採を免れた
自然林が生きている。



◆水の中
 私は霧の中にいることが好きだ。
人間は魚の頃の構造をしている。
霧という水が気持ち良く感じるのは
その記憶がそう感じさせると思う。
                    
魚は水の中にいるので
水に溶けてはいけないので(親水性)
身体は油で出来ている。(親油性)

◆なぜ暑いのか?
 「牛脂」を想像すれば解るが
油は暑いと溶け出し寒いと固まり
新陳代謝が出来なくなるから
「暑い」とか「寒い」と感じるのは
危険を知らせるサインであると言える。



だから登山は勿論街にいても
「保温」と「放熱」は大切だ。
                 
◆冬の山
 私がこの山に通うのは
この頂上部の稜線に根を張る
橅たちの四季の変化に会いたいから。



特に老木達が長い年月の
風雪を刻む姿は落葉した後に現れる。
                 

そして木々のシルエットは
霧の中がより美しく見ることが出来る。
                 
 だから私は
霧の中にいることが好きなのだ。



                              枯山に鳥突きあたる夢の後  藤田湘子