猿板

遊山黒子衆SARUの記録

森の奥の遊山 大樹

ザレ場

 「ここも随分崩れたね」
カヤハゲ山腹を横断する
この道も姿を変えていた。


◆道を探す
 「下りすぎたろか?」
元々下草が少なかったザレ場は
道が土砂で埋まってしまい
あの日の記憶は薄れ自信が持てない。



              
◆長笹谷の大桂
 「このケヤキ覚えちゅう!」
核心に近づいたようだ。



 「おった! おった!!」
                     
幹周りは6mを優に超える
桂の老木は以前と変わらない
堂々とした姿で私たちを迎えてくれた。



◆大地であること
 根元から生やした
多くの枝に丸く小さな若葉を付け
まだまだ樹勢は衰えていない。


                
人の寿命程度の
短い時間で自然を観ても
何も解らないのかもしれない。



この森で一番の大樹は
自ら伸ばした根で地形を作り
この居場所を守ってくれた。


             


  すずしさのいづこに坐りても一人  藺草慶子