物部の森に通い始めた頃
長笹谷を詰めたところに座する
桂の大木に出会いました。
「あの桂に逢いに行ってみん?」
河童の提案で道なき道を辿ることにしました。
久しぶりなせいか深い緑が眩しい。
久しぶり!
そしてその先は想像どおりの崩壊の跡でした。
やっぱりね。
この先はとても歩けそうもありません。
ザックを降ろし
カエルの目線になってみる。
大地から見上げると
優しく覆ってくれているように感じます。
河童天気予報どおり
帰り道は雨でした。
木々が受け止めてくれている向こうは
白い雨の筋
おかげで傘が要らなかったよ。
囀をこぼさじと抱く大樹かな 星野立子