ヌル谷のナロを越えると
雪の量と質が変わり始める。
山にはその様な場所がある。
◆奥物部の主
ヌル谷のナロから
ほどなくtochikoの栃に至る。
樹齢400年と言われるこの大栃は
落葉し見事な枝振りを見せてくれた。
◆核心へ
大栃を越えると
南四国で最も広い
ブナの自然林に入る。
ここから次第に勾配が増し
カヤハゲの尾根に取り付く。
◆抱かれる
この森を歩いていると
エネルギーを蓄えられたような気分になり
違った発想ができるように思えてくる
この森を歩いていると
植物や土地そして過去の時間
目の前にない対象に
思いをはせている自分に気づく
この日もシンプルに心地よく歩けた
=歩禅 <その32>=
◆雪舟に乗って
堅くしまった雪の層に
膝下ぐらい新雪が乗った
この上ない雪質だった。
標高が上がるごとに
天候の回復を肌で感じる。
何もかもこれ以上のタイミングに
出会う事は難しいだろう。