大岩を越えれば笹原
目の前の視野が開け
美しい霧氷林が現れた。
◆変化の時
山頂を覆う雲の流れは早く
ときおりお天道様が光を差す
変化の真っ只中に飛び出した。
「虹色が見えるで!」
◆霧氷へ
氷点下で樹木に発達する霧氷は
空気もとらえ温度を一定保つ事が出来る。
霧氷は雲と風から生まれる。
私も−25度を経験した四国山地で
厳しい寒さから森を守るため
霧氷は生まれるように感じる。
◆氷花咲く
樹皮の間には昆虫が隠れ
樹氷に守られ越冬している。
それが越冬芽と共に
留鳥などの貴重な食料となる。
霧氷は陽が当たり温かくなると
溶けて大地に還り森を潤す。
だから寒いだけの大陸には森が少ない。
日本は恵まれた環境にある。
◆雲切れる
そして霧氷は美しい。
生き物は身体に合うものは
美味しく感じると聞く。
日本人は自分を守ってくれる森を養う
自然現象を美しく感じる事が出来る
遺伝子を持っているのかも知れない。
森の向こうが明るくなった。
頂上は光の中にあるのだろう。
敲くべき扉はなくて樹氷界 平畑静塔