白湯でもどうですか?
和宏さんが小学六年生の時に
初めて訪れた定福寺奥ノ院。
その宿坊で一本立てた。
◆置き土産
「ヤマナシ
まだ残っちゅうね」
山で厳しい冬を越す
生き物にとって貴重な糧。
山の鳥が梢で鳴いていた。
「持ってきちゅうきね」
そして和宏さんも
ヒマワリの種を置き土産。
◆霧の中へ
今日はどのコースで?
「ゴロゴロ八丁で行こうや」
ゴロゴロ八丁コースは
急登を転石を踏み登る
山小屋までの最短コース。
今日の目的は山荘ですものね。
◆信心の風景
霧の中に現れた巨大な岩が
山岳宗教の地に相応しい風景を醸す。
この垂直に切り立った大岩には
旧暦3月21日弘法大師の御影供に
護摩供養が行われる御影堂がある。
日本本来の信心は自然に対する畏敬の念。
キリストやお釈迦様など教祖のいる宗教と違う
もっと身近なものだった様に思う。
行く水のゆくにまかせて冬至かな 鳳朗