猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小満の剣山遊山 承

分け入る

 雨には雨の風景があり
同じ山に幾度訪れても
同じ風景に出会うことはない。


◆はじめて咲く
 「やっと咲かせたね」
tochikoが気にしていた
登山口近くにある若い栃が
今年初めて花を咲かせた。



                   
◆自然の摂理
 一雨毎に葉の色が濃くなる
森には水と風が必要なのだ。



生物は活動すると熱が出る。
植物は根から吸い上げる
水の半分は光合成に使い
半分は風で蒸発させて身体を冷やす。


                 
 エネルギーは奪えばなくなる。
たとえば風力発電も程々にしないと
森の規模が小さくなってしまう。



◆鳥が囀る
 「カッコウが鳴いたねぇ」
森は囀りでずいぶん賑やかになった。
「渡り鳥が帰って来たがやね」


                  
 「ちゃんと持って来ちゅうきね」
いつもの置き土産の場所に
小鳥が増えたような気がする。



 風に乗って帰ってくる鳥たちは
木々の遺伝子を運ぶ大切な命。
森は相互に助け合って生きている。


                    


  郭公の声のしづくのいつまでも  草間時彦