猿板

遊山黒子衆SARUの記録

小屋開けの遊山 かえり道

剣山本宮の鳥居

 かつて笹ヶ峰の山小屋に
10年間通い続け自然現象と
小屋と山を護る老夫婦から
多くのことを学んだ。


◆通い続けること
 深田百名山の剣山。
古い歴史を持つ山を護る
剣山頂上ヒュッテに
今年も通おうと思っている。



◆分かち合うこと
「こんなもん
  持ってきましたけど」
これを届けたいがためだけに
上がってきたんですよね。


          
 強風を逃れ小屋に来た
日帰り登山者の皆さんにも
和宏さんの小夏が振る舞われる。
                     
 さあ早いお昼を頂いて
嵐が来る前に下山しましょう。



◆満足すること
 若い頃は何かに満腹したかった。
登山も重荷を背負い縦走ばかりだった。
でもそれはそれで貴重な経験となり
そこから先の人生を豊かにしてくれた。
                     
そしてその時期を経た私は
満腹より軽い負荷でも
満足すれば良いと感じ始めた。



身の丈で生きる事が
気持ち良くなったのだろう。


                  
◆鎮める
 登山口の食堂で
coffeeを頂き一息つける。



 「間に合いましたね」
帰りの国道で
横殴りの雨が降りだした。
                


  髭白きまで山を攀ぢ何を得し  福田蓼汀