猿板

遊山黒子衆SARUの記録

春の甲斐国遊山 結

砂の山

 「砂・・・・?」
山頂を覆う白いものは
雪ではなかった。


◆砂の山
 深層の花崗岩
隆起した地表で雨風に晒され
構成する物質の膨張率の差で
細かく砕けた砂が覆う頂。



◆雁ヶ原と呼ばれるところ
 「自然の造形って凄いね!」


              
 そうだね
こんな風景は見たことがない。



 これって
夢の風景だね。
                     
◆生まれ出流ところへ
 「幻の野球戦があった」
昔の山頂はそれほど広かったと
下山してロッジの人から聞いた。



かつて広大だった砂原も
切り立った山頂を下り
大地に帰ってゆく。
                     
背後に聳え立つ
峨々たる山容の甲斐駒ヶ岳
どうだと言わんばかりに
自然の力強さと美しさを魅せていた。



                       絵巻物拡げゆく如春の山  星野立子