猿板

遊山黒子衆SARUの記録

初春の寒風山遊山 春霞

春霞

 上空の澄んだ青空に
南から霞が流れてくる
春の訪れを感じる空だった。


◆若い森のこと
 登山口は標高1,114m。
歩き始めた落葉広葉樹林
急峻な斜面の二次林で
森は若くブナなどは少ない。



◆懐かしい道のこと
 登山口までの山道も
かつて山のお父さんと
草刈りした思い出の道。
                     
 ここも崩れてねぇ
道を変えたことがあるんだよ。
あのころ山の整備は山小屋が担っていた。



◆霞始靆(かすみ、はじめてたなびく)
 森を一旦抜け風が吹き付ける
中低木と笹の住処にはいる。


    
                               
古い峠に近づけば
笹原となり視野が開け
南の眺望は春霞がかかっていた。



初春は霞がたなびき始め
来る春への期待がふくらむ時季
やがてこの尾根の躑躅たちも咲き始める。
                     


  春なれや名もなき山の薄霞  芭蕉