龍王の滝の鳥居を潜り
急な山道を登りはじめる。
訪れるものが少なくなった
寂びた風景も美しいと感じる。
◆生まれ出流ところ
龍王の滝の上に出る。
海から雲になって山に帰る
ただそれを繰り返す流れに
見習うべき潔さが見える。
◆裸木の森
標高1,400mの頂を目指し
道は標高を上げブナの森に入る。
昨日降ったか真新しい雪現れる。
落葉すれば天の恵みが大地に届き
落葉は大地に有機物を与える
植物の営みに殺生は伴わない。
◆定福寺奥の院 〜 宿坊
梶ヶ森への山道は信仰の道。
枯れ木立の向こうに奥の院が見える。
山頂まで道路が延びるまで
信者と登山者で賑わった場所。
でも今は訪れるものも少なくなったが
信仰の心は今も継がれている。
「良い佇まいだね」
信仰ごと自然の循環にゆだねること
それが日本人の心の様に思う。
裸木となる太陽と話すため 高野ムツオ