カヤハゲの山道を離れ
雪崩避ける冬道を確かめるため
尾根に上がることにした。
◆変化の兆し
「鹿の気配を感じなかったね」
彼らも食べ物の無いところに
いつまでも居られないだろうから。
◆森を抜ける
尾根を忠実に追って
森を抜け青空の下に飛び出す。
「雪がだいぶん溶けたね」
太陽が上がる毎に笹が現れる。
まだ大地は冷えてない様だ。
◆自然と呼ばれるもの
カヤハゲの頂上部に上がり
振り返れば山の向こうに太平洋が見える。
この山域は人の活動により
鹿が集まり短い間で様変わりした。
でも人間も自然の一部であって
他の生物も繁栄すれば環境を変える。
いま食害防止ネットの中も
外も同じくススキが生え茂っている。
次はタラが生えて
山菜の宝庫になるかも知れない（笑）
そうやって土壌の流出も落ち着く。
やはり自然には一定を保とうとする
人の手など必要としない力があるのだ。
しかしこれを設置した人達は
一段落したらこの不自然なものを
回収してくれるのだろうか？
枯きつて風のはげしき薄かな 杉風
