猿板

遊山黒子衆SARUの記録

祈りの山の遊山 石段

狛犬

 狛犬が守る参道が始まる。
山頂まで約1時間続く長い石段は
いつの時代に積まれたのだろう。
◆時を遡る
 ただひたすら真っ直ぐ登る
古い石段の参道を守るように
長い時を刻む杉の大木が並ぶ。

◆人が残したもの
 参道には文久二年と刻まれた
250年前の狛犬や祠などが置かれ
永代の信仰の歴史が偲ばれる。
                
   
私はここ以上に人の関わりを
心地よく感じる山を知らない。
              

祈りの時
 この最後の道標の先に
私の心が最も落ち着く場所がある。



  仏説摩訶般若波羅蜜多心経
   観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時
    照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子
                   
 私達が街て泣いたり笑ったり
悩んだり苦しんだりしている時も
この仏様たちはずっと祈りつづけ
微笑んで下さっているのだ。

                       
  色不異空 空不異色 色即是空 空即是色
   受想行識亦復如是 舎利子
    是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
                 
 この仏様を独りで刻み続けた人は
きっと丸い心を持っていたのだと思う。


     
                   


  冬浅し水かげろふの道の神  小林篤子