「○○屋政吉 享年五十歳」
今はないであろう屋号を刻む墓石。
しかし確かに祖先達が生きた証は
この里山に今も刻まれています。
◆高見山を下る
視野が開ける高見山から
縦走路を一旦鞍部に下る道。
ここから見下ろす下町の風景は
懐かしくまた良い風景なのです。
◆町中の草原のこと
この山は私が子供の頃は
毎年山火事になっていました。
でも市民は誰も困らずむしろ
翌年豊かな山菜に恵まれていました。
今は消防署の「燃やすまい」の看板が立つ。
人の関わりが変われば植生も変わり
ここの山菜達もいずれは環境省の
レッドデーターブックに載るのかな(苦笑)
◆農民の森
再び縦走路を鞍部に下り
クリやハチクやモウソウチクなど
違った人の関わりを感じる森に入ります。
この周辺は近隣の農家の森で
かつて落葉を掻いて燃料や肥料にしたり
薪を伐り出したりなど農民的な
森林利用が行われてきました。
◆海に向かって
県庁から10分歩いて始まる
町中の里道なのですが
これほどの変化が楽しめる縦走路は
外にはなかなか無いように思います。
かつての土佐藩の薪を養った
お留め山への登りにかかれば
大海望む主稜線はもうすぐです。
線香やますほのすゝき二三本 蕪村