猿板

遊山黒子衆SARUの記録

家から遊山2013冬 証を刻む里山

庶民の墓所

 「○○屋政吉 享年五十歳」
今はないであろう屋号を刻む墓石。
しかし確かに祖先達が生きた証は
この里山に今も刻まれています。
高見山を下る
 視野が開ける高見山から
縦走路を一旦鞍部に下る道。
ここから見下ろす下町の風景は
懐かしくまた良い風景なのです。

◆町中の草原のこと
 この山は私が子供の頃は
毎年山火事になっていました。
でも市民は誰も困らずむしろ
翌年豊かな山菜に恵まれていました。
                
今は消防署の「燃やすまい」の看板が立つ。
人の関わりが変われば植生も変わり
ここの山菜達もいずれは環境省
レッドデーターブックに載るのかな(苦笑)

◆農民の森
 再び縦走路を鞍部に下り
クリやハチクやモウソウチクなど
違った人の関わりを感じる森に入ります。

この周辺は近隣の農家の森で
かつて落葉を掻いて燃料や肥料にしたり
薪を伐り出したりなど農民的な
森林利用が行われてきました。
              
◆海に向かって
 県庁から10分歩いて始まる
町中の里道なのですが
これほどの変化が楽しめる縦走路は
外にはなかなか無いように思います。

 かつての土佐藩の薪を養った
お留め山への登りにかかれば
大海望む主稜線はもうすぐです。




                               線香やますほのすゝき二三本  蕪村