猿板

遊山黒子衆SARUの記録

一本の森の遊山 山毛欅

森に生きる

 日本のブナ林には息吹を感じる。
他の植物はもちろん菌類や苔など
全ての命に繋がりを感じる事が出来る。
◆トライ・アンド・エラーが自然の摂理
 しかし針葉樹林の全てが不毛とは思わない。
たとえばシベリアの針葉樹林にも命は沢山生きている。
ただ地球上のその地の気候に合ったものが
生き残った結果が自然だと思っているだけのこと。

◆八方山毛欅のこと
 「稜線から降りないかんがよ」
了解!いよいよ歯医者さんの恋人に
会うときが来たようですね。


            
 その樹は稜線から外れた場所に
どっしり根を下ろし待っていました。



幹周りは両手を広げた
大人3人分は優に超え
葉は黄葉する山毛欅とは思えない
モミジの様な紅色に染まっています。
        
◆一本の森であること
 その紅葉といい樹形といい
私はこの様なブナの木を
ほかに観たことがありません。

そんな天に向かって
たくさん枝を広げる老木は
一本だけで森と呼べる姿でした。


        
◆会話すること
 いや〜こりゃぁ凄いわ
歯医者さんが惚れる訳だわ。


「そう言ってくれるとありがたい」


       
山毛欅の紅葉期は短い。


 「呼ばれたね。歯医者さん」



秋晴に向かう帰り道の空に
北風に乗った落ち葉が舞い
これから季節は冬に向かいます。





  山の日は強くて淋し秋日和  池内たけし