正午を過ぎても猪に会えず
昼にしていたKさんの無線が鳴る。
「タッチが上の谷で太いがを
おさえた（仕留めた）にかぁらん」
◆吉報が入る
「こりゃぁ河童という妖怪に
猪どもが怯えた様やにゃあ」
豪快に笑う猟師Kさん（涙々
「よっしゃ、行かないかんろう」
◆心を繋ぐ
無線を聞いた猟師達は
既に上の谷に向かっていました。
同じ山域で違う所に居た猟師達が
揃って集まる事が出来るのは
それぞれ個性をそれぞれが把握した
信頼の成せる技だと感じました。
◆命を繋ぐ
こりゃ雌じゃ
上等の肉が取れるぞ。
脂肪を蓄えた70kgを越える猪を
慣れた手さばきで担ぎ棒に結わえる。
そして私もやっと猪を
背負うことが出来ました。
でも本当に求めていたものは
この様な命がけの風景なのです。
また通わなければ！
＝ photo by Matagi K ＝
◆命を頂く
そんな山追いを待っていた
tochikoとカミー夫婦と共に
山の恵みを居会う祝う宴。
やっと山追いに参加出来た充実感か
この日の猪汁は格別な味わいでした。
ありがたい。ありがたい。
鼻すこし曲りてゐたる猟師かな 肥田埜勝美
