猿板

遊山黒子衆SARUの記録

節分の日の遊山 承

寒風山

 北面に荒々しい岩肌を持つ
男性的な山容の寒風山が姿を現す。
この山域は日本最大の活断層
中央構造線が削りあげた風景なのです。
◆記憶と出会う
 山道が稜線と出会う「桑瀬峠」は
かつて伊予と土佐を結ぶ峠でした。
そしてtochikoと私の登山は
ここでのテント泊から始まりました。

◆風切り地蔵
 瀬戸内海を見下ろすこの山は
海抜0mからの気圧差により
強い風が吹き上がり
峠となる鞍部は風を集めます。

 「桑瀬が無風の時はないね」
昔ここにお地蔵さまがいたと言う。
それは旅の安全を願った心なのでしょう。

道ここからは四国の背骨に乗り
峠に吹き上がる風が嘘の様な
穏やかな遊山となりました。

◆思い出の道
 日本屈指の活動を続ける四国山地
今も隆起に伴う崩壊を繰り返し
この道も崩れるたび山のお父さんと
登山道を迂回させていました。

 この道もお父さんと苦労したなぁ・・。
そしてあの日もお母さんとtochikoは
小屋で夕飯作って待っていてくれてたね。

◆富士と呼ばれる山


 この樅もまだ元気でいたんだ。



鷹ノ巣山の分岐となる鞍部を越せば
伊予富士がその秀麗な姿を現します。



                                寒風に吹きしぼらるる思ひかな  星野立子