「こんな原始的な猟をしゆもんは
日本中探したちわしらぁばぁのもんぞ」
今日猟を共にする犬を選びながら
猟師Kさんは笑って語ってくれた。
◆猟に入る
安芸の猟師たちは車を置いて
それぞれ犬を率いて独り林道を離れる。
「猟をしゆ感じがするろうが(笑)」
私も身が引き締まる瞬間です。
◆分け入る
今ここに入るものがあるとしたら
Kさんたち猟師ぐらいのものだろう。
崩れた沢、放置された植林
そこで失われた暮らしの跡を追って
長年培った経験で見極め分け入る。
◆懐にかえる
「河童ちゃん。これが炭焼きの道よ」
「わしらぁ子供の頃から
ここで炭を背追いよったがよ」
山に埋もれた祠に手を合わす。
私達はこのとても大切な心を
見失っているかも知れませんね。
◆山に入る
子供の頃から培った経験で
猪が残した僅かな跡を追い
犬と共に山を駆ける「山追い」
それは先人の遺伝子を継いだ
人と犬とが成し得る巧みの技なのです。
耳うごくときはつきりと狩の犬 後藤比奈夫