猿板

遊山黒子衆SARUの記録

八田さんの自家旅「三嶺」 見定める

森の入り口

 今回私の選んだルートは
三嶺の目の前に座る西熊の森の中心
カヤハゲ(東熊山)の山麓を巡る道。
その入り口は大きな樅が守っています。
◆木霊の森
 「はぁ・・見事に何も無くなったね。」
森に立ち並ぶ巨木達が奥まで見渡せる
「さおりが原」と呼ばれる森の平坦地付近。
ここは八ちゃんも子供達と遊んだ思い出の森。

◆静寂の森
 下の写真は2006年9月の風景。
この頃までの森は笹床に覆われ
風に笹が歌い足下には秋の花が咲き
小鳥も多く森の息吹を感じる事が出来ました。

でも今は風だけが虚しく抜ける
命を感じない森になってしまいました。

◆失われた森
 2時間かけて静寂の森を歩き
三嶺を源とするフスベヨリ谷に出ました。

             
50億年繋いできた命を絶やすまいとする
植林に追われ住処を失った鹿達が集まり
草を失った大地は雨を防ぐことが出来ず
発生した巨大な土石流の跡が横たわる。

 「ここに来ないとこれは分からない・・・」
ずっとこの私の記録を見てくれていた
八ちゃんもこの風景に驚き途方にくれる。

 これは人が自然に関わってきた確かな証。
しかし人はこれまでの行いを振り返る事なく
自らの一方的な想いだけをもって
まだ自然と戦うというのでしょうか?

                       秋めくとすぐ咲く花に山の風  飯田龍太