猿板

遊山黒子衆SARUの記録

いつもの峠道の遊山 命のこと

ARC’TERYX:Needle35

 土石流痕に進路を絶たれ
三嶺登頂を諦めた私達は
ヌル谷で昼を摂る事にしました。
◆種子は休眠すること
 ブナやミズナラなどは
土壌の窒素がないと育たないため
この森はリセットするのだろう。

しかしいつか空中窒素固定能力を持つ
根粒菌が共生する先駆植物が生え
(合歓やリョウブなど)
森を再生して行くのだろうが

休眠した植物の遺伝子がその時を迎える
調和のとれた森に還るのは
私が生きている間では到底無理な話だろう。

◆毛を失った猿であること
 もうこの古い峠道を使って
三嶺に登る事は無いのかもしれない。

 今この森では源流に目を向けず
何の反省もしない行政とNPO
また血税を使い
何の罪もない鹿達に銃口を向けている。

 でも鹿の遺伝子は休眠しないし
決して鳥が運んで来ることもない。

自然から生まれた人が植林するのも
自然現象なのかも知れないが
 人はどこまで業の深い生き物なのか


 こん畜生っ!!


   夏雲むるるこの峡中に死ぬるかな  飯田蛇笏