猿板

遊山黒子衆SARUの記録

いつもの峠道の遊山 森のこと

トンビマイタケ

 食用菌トンビマイタケを見つけた。
この森には草花に代わりに
木々を分解しCO2 を大気に還す
菌類が目立つようになってきました。
◆草のない山
 かつて笹の間を縫うように登っていた
土佐と阿波を結ぶ古の峠道「韮生越え」は
風だけが吹き抜ける殺風景な森となり

古の道は流れ出した土で埋まり
20年以上この道を歩いてきた私達でも
度々道を見失う状況になっていました。

◆流れ始めた大地
 かつての営林署の放置人工林が
大きく育ち大地から太陽を奪い
不毛の森となったため住処を追われた
鹿達が集まってしまった西熊の森。

その生き残るための営みは
この山域の笹や草の全てを奪い
木々が蓄えた命の土壌が流れ始めた。

◆草花の力
 森に大量に降る雨水は
大地に毛細血管の様に根を張った
草花によって吸い上げられ
土壌は定着していた。

土が流れ出し濁った水は浮力を増し
大きな力を持った「土石流」となり
森の姿を変えている。

いつも水を補給している沢が
2m以上えぐられた垂直の壁に
遂に私達は進路を絶たれてしまいました。
 「もういい。帰ろうtochiko。」

                                夏あはれ生きてなくもの木々のあひ  室生犀星