年に1度のお祭で賑わう
剣山地の最深部「見ノ越登山口」。
ここに鎮座する剣神社の石段から
神の山への参道が始まります。
◆分け入る
吹き上がる涼しい風と共に
雲が沸き上がり流れゆく。
標高1420mから登り始まる道は
ブナが覆う森が迎えてくれます。
◆原生の命
営林署の伐採が盛んだった四国は
徳島においては62%が人工林となりましたが
ここは信仰に守られ伐採を免れました。
そんな剱山の森は次世代に遺伝子を残す
大切な森だと私は思っています。
◆夏の木霊たち
雨と風と太陽の恵みを受ける
夏は森の成長期となります。
その花の乏しい時期にあっても
森にはきちんと命を養っていました。
=シモツケ= =クガイソウ=
=イシダテクサタチバナ= =アサギマダラ=
◆笹の海へ
標高1700mを越えると
山頂まで続く笹の海に飛び出します。
視野も開け剣山地の峰々が現れますが
今日は沸き立つ雲の中に隠れていました。
さあ剱山を覆う雲の中に向って
最後の登りにかかりましょうか。
山国の蝶を荒しと思はずや 高浜虚子