小さい花達に温かい一時を頂き
再び私達は寒峰の頂を目指し
登山道を歩き始めました。
◆春のかたち
福寿草は冬と春の「のりしろ」。
森にはまだ固く締まった雪が残り
冬の風景の中にありました。
ただ広葉樹林の木々は
温かい春の日差しを幹に蓄え
根元の雪を溶かすこの地熱で
大地の草たちも目覚めます。
◆木々のかたち
長く急な登山道を登り終え
頂上に続く稜線に至りました。
この山の魅力は稜線の木々にあり
大地の最前線に根を張り
長い風雪を樹形に刻むブナの姿は
冬の美しい風景の一つでしょう。
◆山のかたち
小ピークを二つ越えたら
寒峰の頂上が目の前に現れます。
「長かったね(笑)」
ここからは剣山系が一望。
主峰剣山や三嶺も残雪の風景となり
冬が終わりつつあることを感じます。
「さあ春に向かって団結の乾杯!!」
これから春を追う花巡礼が始まります。
◆命のかたち
新しい季節の息吹を感じた
寒い峰の帰り道で出会った風景も
命は全て長い年月繋がったもの。
「現象」でなく「源流」を観る事が大切だと
役割を終えたもの達の姿から
改めて教えてもらった気がしました。
たっぷりと春分の日を歩きけり 増成栗人