猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2012和宏花巡礼「福寿草」 寒風の峰

頂を目指し

 小さい花達に温かい一時を頂き
再び私達は寒峰の頂を目指し
登山道を歩き始めました。
◆春のかたち
 福寿草は冬と春の「のりしろ」。
森にはまだ固く締まった雪が残り
冬の風景の中にありました。

ただ広葉樹林の木々は
温かい春の日差しを幹に蓄え
根元の雪を溶かすこの地熱で
大地の草たちも目覚めます。

◆木々のかたち
 長く急な登山道を登り終え
頂上に続く稜線に至りました。

この山の魅力は稜線の木々にあり
大地の最前線に根を張り
長い風雪を樹形に刻むブナの姿は
冬の美しい風景の一つでしょう。

◆山のかたち
 小ピークを二つ越えたら
寒峰の頂上が目の前に現れます。
「長かったね(笑)」

ここからは剣山系が一望。
主峰剣山や三嶺も残雪の風景となり
冬が終わりつつあることを感じます。

「さあ春に向かって団結の乾杯!!」
これから春を追う花巡礼が始まります。

◆命のかたち
 新しい季節の息吹を感じた
寒い峰の帰り道で出会った風景も
命は全て長い年月繋がったもの。

「現象」でなく「源流」を観る事が大切だと
役割を終えたもの達の姿から
改めて教えてもらった気がしました。

                                 たっぷりと春分の日を歩きけり  増成栗人