猿板

遊山黒子衆SARUの記録

雨上がりのつらつら山 白い朝の事

白い朝

 翌朝は白色の世界でした。
でも稜線を被う雲は厚く風も強い。
私の待つ風景には少し早いようで
のんびり朝食を摂り待つことにしました。
◆待つ時
 私達の山の朝は「雑炊」。
特に冬山での「ご飯」は
足先までぽかぽか温めてくれます。

                     雑炊や一すぢ青き山の幸  鷹羽狩行
◆変化の時
 雲と風がその時が来たことを
知らせてくれました。

雲が稜線を離れる一瞬に
私が思い描いていた風景が
オカメのコルに広がっていました。

◆神の時
 霧氷は風の吹く方向に発達する
木々に刻まれた風の跡。

山を被う霧氷林が造る陰影は
正に東山魁夷日本画の世界。

この天空の白い珊瑚礁
人の手など頼りにしない
水と風が作り上げた芸術品だと思います。

                             こまやかに咲きことごとく樹氷林  大橋敦子