猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 匠の靴が来た!

来た!来た!

 少なからず震災の被害のあった
関東巣鴨にあるgoroの匠
約束した日に私の靴を届けてくれました。
◆「靴のお手入れの仕方」
「購入後防水のワックスを薄く全体に塗る。
 裏側の場合1時間以上立ってブラシでから拭きする。
        (中略)
 上記の手入れを10〜15回繰り返したら
 洗い、乾かした後に栄養クリームを靴全体に塗る。」

◆付き合いが始まる
 最初は随分色白だと思っていたあの靴が
山に行くことなく「油塗り」を約10回繰り返して
すっかり別物。いや私だけの靴に変わって行きました。

指の体温で油を溶かし薄く塗り込んでいく。
その課程の色の変化と指先の感触を通して
「ここに塗って」と靴が語りかける。
「そうか・・油を塗るってこういうことなんだ・・・。」

◆いざ出陣の時
 そんな朝の一時に次の山を想い
最初から靴作り参加出来たことで
25年間繰り返した「靴の手入れ」の意味を
改めて知る事が出来ました。

いま膝の上でワックス約一本使いきり
表情を変え完成に向かう私の靴は
共に山を歩く時を迎えようとしています。

                   少年や六十年後の春の如し  永田耕衣