猿板

遊山黒子衆SARUの記録

花冷の三嶺遊山 お天道様

明けの彼方から

 夜の青から朝の茜色に向かう
空のグラデーションが肌寒い空気の中に
山のシルエットを浮かび上がらせる。
◆朝のひととき
 私は朝が一番好きです。
それは山に居ればなおさらのことで
いつもより早く目が覚めて空を仰ぎ
火を熾す時は至福のひとときです。

◆神々の目覚め
 空には夜と共に消えゆく月が浮かび
その主役はやがてお天道様に変わる。

神々の峰と命の森が闇から浮かび上がる
音のない雄大なドラマが目の前に繰り広げられる。

◆日輪に想う
 お天道様が昇るいつものと変わらない朝が
不便の中に居る登山だからよけい有り難く
風景を変える天道様がいつもより温かく感じる。

私達に与えられた使命は「日常」をただ懸命に
「助け合い」「支え合い」ながら生きていく事。
それはこの日輪を国旗とした日本人の心なんだと
改めて感じる事が出来た朝でした。

                                雪嶺よ日をもて測るわが生よ  相馬遷子