猿板

遊山黒子衆SARUの記録

花冷の三嶺遊山 春雪纏う

久保影の梅

 高知市は22日桜が開花しましたが
奥物部の最深部にある「久保影」集落は
梅がちょうど見頃を迎えていました。
◆花冷(はなびえ)
 桜の花が咲く頃の冷え込みを言う
私の好きな日本語の一つ「花冷」。
山の入り口に居らっしゃるお地蔵様も
この日の「花冷」にふるえているようです。

◆旧友と共に
 2011年3月26〜27日
今春初めてとなる三嶺の頂へ
20年来の山の相棒八ちゃんと
tochikoの三人で向かいました。

固く締まった残雪に新雪が乗る
ストックが立たないこの時期の装備は
アイゼンとピッケルが出番を迎えます。

◆変化の時
 山麓から稜線に向かって風が吹き上げる
山間に舞い踊る雪が霧のように見えます。

この日の天候は回復に向かい
山にかかる最後の雪雲たちは
風と共に大粒の雪を落としています。

そんな風も雪も森に入れば少しは和らぎ
枝に止まった可愛い風景を見せてくれました。

◆雪雲が開く
 剱山から続く長い稜線を歩き
三嶺を覆う雲の懐に入ったとき
私達を待っていたかの様に雲が開き

女神と言われる四国の名峰「三嶺」が
真新しい雪を纏い私達の前に現れました。

                         春の雪しきりに降て止にけり  白雄