猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 匠の靴

ゴロー

 本場ヨーロッパでも少なくなった
一枚の革から登山靴を作る職人が巣鴨にいる。
以前からずっと気になっていた「ゴロー」
遂にその職人にオーダーする機会が訪れました。
◆職人のこと
 「どこに行きたい?」
その問いから始まる匠の靴づくりは
私の両足を正確に測り骨相を観る
想像していた以上に繊細なものでした。

◆素材のこと
 完成した時から劣化していく化繊と違い
革は油を切らさずカビを防いでやれば
細胞の集合体による柔軟性を失うことなく
科学で再現出来ない通気性・透湿性を保ちます。

また化繊靴は次第に形が崩れますが
革靴は皮が厚いほど足形になじみ
世界に一つしかない靴に生まれ変わります。

◆靴底のこと
 ソールのクッション性が高いほど
骨と骨が繋がる関節の負荷が増し
やがて痛みにつながり苦痛に変わる。
私はそんな辛い課程を何度か経験しました。

でも堅い靴底を持つ靴は
踏みしめる力を無駄無く地面に伝え
しっかり大地を踏みしめる事が出来ます。
(オフロード車は足回りを固めますよね。)

◆相棒のこと
 私の体の一部となった靴があります。
15年をこえチベットから四国の裏山まで
それは今も私と共に歩み続けています。
  
そして登山人生最後になるかもしれない
職人の靴を今わくわくしながら待っています。
  登山靴穿きて歩幅の決まりけり  後藤比奈夫
◆匠のお勧め
 匠にお昼はここが良いよと勧められた
ゴロー近くのイタリア料理店を訪ねました。
 <ビストロ>
海外も多く歩いた匠が選んだ味は
本場イタリアの母の味を感じさせるものでした。
 <サービスランチ:1,000円>