猿板

遊山黒子衆SARUの記録

2011和宏花巡礼「西三子山」 環境

ミツマタの花

「河童ちゃん。ミツマタが咲きゆぅで!」
今シーズン40頭以上猪を仕留めたと言う
熊のようにゴツイ体の山猟師Kさんが
咲きかけたミツマタを観て喜んでいました。
◆自然と共に生きてきたこと 
 猟師が生き物を滅ぼした歴史はない。
それは無意味な「殺戮」ではない
この優しい心をもって自然と向かい合い
共に生きて来たからだと思います。

◆西三子山(標高1,349m)
 和弘さんの2011年春の花巡礼は
先週に引き続き福寿草を求め
徳島県那賀町「西三子山」を訪れました。

 日本屈指の激しい雨が降る徳島県南部。
その環境下石灰石で覆われた西三子山は
山肌の崩壊が多く土壌も流されやすい
植物たちにとっては厳しい環境です。

◆猟師の目
「和宏さんに連れてきてもらった頃は
 腰ばぁまで笹が生えちょったが・・。」
この山も植林に追われた鹿が集まっているようで
今はその面影はどこにもありません。

「鹿もこんな処に棲みとぉないろうに・・・。」
鹿は増えたと言われていますが
植林の中には鹿は居ないとKさんは言います。
「増えちゅうがじゃない。生きるために集まっちゅうがよ。」

◆街で暮らすものの目
 来年度高知県は鹿捕獲などのため
3億円もの予算を計上しています。
しかし真実を知ろうとしないまま
現象の対処だけで果たして解決があるのか?
  【 丹沢にあった立て札 】
これは天災なのか?人災なのか?
行政も報道も真実をきちんと知り伝えないと
後になって取り返しのつかない事になってしまう
私はそんな不安をこの山でも感じています。

                         三椏の花に光陰流れだす  森澄雄