猿板

遊山黒子衆SARUの記録

平成22年四国の山納めのこと

冬を耐える

 シキミは葉を丸め寒風を耐える。
山に生きるものは皆自然に逆らわず
争うこともなく丸くなって冬を越す。
◆寒い日のこと
 この冬一番の寒気が訪れた休日
tochikoと私達の遊山が始まった
奥物部の森に会いに行きました。

◆冬の森のこと
 葉を落とし眠る広葉樹たち。

葉を落とすことなく
真っ直ぐ大地に立つ針葉樹たち。

冬の風が通り抜ける森の木々は
それぞれの形で冬を越しています。

◆眠る森のこと
 いつもの森は太陽の光に満たされ

木々は大地に長い影を踊らせていました。

カサコソと心地よい音を立てる
森には落葉が敷き詰められています。

やがて雪に覆われるこの大地には
星の数より多い命たちが眠っている。

◆母のこと
 奥物部の森最深部に居るお母さんは
私達を見下ろし語ってくれました。

お帰りなさい。そしてまた帰っておいで
私は何も変わらずここで待っていますから。

シキミの虫こぶにだって
神様の言うとおりに生きている命がいる。

帰り地蕎麦がやけに美味しかった
今年の四国の山納めでした。
    そば切や花なき里も花鰹  梶山保友