秋の始まりを告げる様に
実を落とし始める栃。
大きく広げた枝一杯に結実する
栃は柞の森のお母さん。
初めてこの木と出会ったのも秋でした。
そこらじゅうにぽとぽとと落としていた
様子は忘れられない思い出です。
大切な仲間に送ったドングリが
芽を出してくれました。
あれから三年目の冬を迎えようとしています。
今年も冬を越す気満々で樹脂を出し
四国の栃より粘っているように見えるのは
寒さのせいでしょうか。
=越冬芽=
長く厳しい信州の冬
小さな命は大きくならなくてもいい。
そのとき「えいっ」と芽を出してくれた遺伝子
こうして眺めているだけで
元気をもらった週末にありがとう。
栃の実がふたつそれぞれ賢く見ゆ 宮津昭彦