猿板

遊山黒子衆SARUの記録

河童の日々遊山 四万川帰郷:後編

ピラカンサ

 兄夫婦も帰ってきた夕餐は
それぞれが土産を持ち寄って
いつもの様にお鍋を囲みました。
◆自然の最前線
 離れの軒下に並ぶ干し柿
梅干しも天日干しだから味が違う。
全てお天道様と時間が作り上げた
昔から変わらない本物の味。

◆培ってきたもの
 日々自然と対話し体験によって
生活の流れの全てを見定める母。

その母の知識の全てが
ここで生きた先人が残してくれたもの。
それは自然に寄生するしかなかった
島国で生まれた知恵なのでしょう。

◆循環すること
 お天道様を拝み土と対話する。
味噌も大豆から作り天日で乾かし麹に任す。

そして残ったものは全て大地に帰し
自治体が集めるゴミなんか殆ど出ない暮らし。
 「お金はよおけ使わんねぇ」

◆エコって?
 自然に逆らうことなく
何も増やさず何も減らすこともない。

全てが循環の中にあるだけの
日本人の生み出した暮らし方。
 「モノはよおけ要らんねぇ」

そんな多くの「モノ」を必要としない
母達里で質素に満足して暮らす人々にこそ
減税とエコポイントを贈るべきじゃないのかなぁ。
  三年は囲ふつもりの味噌を搗く   後藤比奈夫